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ブログ 47の心得: 2020年1月

心得32 「高血圧に塩はダメ」はウソ?自然塩より精製塩の方が安心? ~塩が足りないと病気になる?~

今回は「塩が足りないと病気になる」というテーマです。








日本国内では日本人は塩を摂りすぎている、減塩すれば
万病を予防できるという減塩のすすめが定着しています。

日本高血圧学会も2012年に、
「高血圧の予防のために、血圧が正常な人にも食塩制限
(1日6g未満)をおすすめします。
特に糖尿病や慢性腎臓病の人には、循環器病や腎不全の
予防のためにも、1日6g未満への減塩を推奨します。
また、大人になってからの高血圧や循環器病を防ぐため
には、子供の頃から食塩を制限することが望まれます。
ほとんどの日本人は必要量を遥かに超える食塩を摂取
しており・・・」という減塩のすすめを推奨しています。



しかし、世界的なデータを見ると塩が足りない人の方が
病気になりやすく、短命という日本国内とは正反対の
データが出ています。


1988年発表の国際共同調査「インターソルト・スタディ」
では32ヶ国52の地域で、約10000人の食塩摂取量と血圧を
調査しました。

結論は未開地を除く48の地域で、「食塩の摂取量と高血圧症
の間にはっきりした関係は認められなかった」となりました。


また、アメリカのアルダーマン博士が25~75歳までの207729人に
聞き取り調査をした結論は、「塩分の摂取が最も少ないグループ
は、脳卒中や心筋梗塞などになりやすく最も短命。最も多い
グループが一番長寿で、高血圧や心筋梗塞も少ない。」
「世界の経済先進国で一番塩分摂取量の多い日本人は、世界
長寿国である。」
とした論文は権威ある医学誌「ランセット」に載りました。


アメリカ心臓学会から、高血圧学会の最高賞と言われるチバ賞を
受賞された故・青木久三博士は「ビタミンの欠乏は特定の病気を
引き起こすだけだが、塩の欠乏は命を奪うとしたうえで、日本人
の高血圧症のほとんどは塩は関係なく
、腎臓やホルモン、血管や
血液の問題であるとし、大多数の日本人にとって減塩は意味が
なく、危険の方が大きい」と警告しました。

確かに塩の成分であるナトリウムは、脳からの命令を神経細胞に
伝えるなど、命の維持に深く関わっています。
血中ナトリウム濃度が下がりすぎると、意識混濁・吐き気・
血圧降下・失神などの深刻な症状を招き、最悪の場合は死に
至ります。








<参考文献>
近藤誠(2012) 医者に殺されない47の心得 アスコム

心得31 コラーゲンでお肌はプルプルしない?グルコサミンは膝に直接届かない? ~その②早寝早起き、バランスの良い食事に勝るものなし~

今回は「早寝早起き、バランスの良い食事に勝るものなし」
というテーマです。






ナノ化コラーゲンというものがあります。
ナノ化とは分子量を10億分の1・・・少しわかりやすく言うと
地球をピンポン玉の大きさまで小さくするということです。

分子量が小さいため、口から摂る場合も肌に塗る場合も「吸収
されやすい」という謳い文句ですが、コラーゲンはアミノ酸が
多数結合したものであり、ナノ化されたコラーゲンはただの
アミノ酸です。

他に、コンドロイチンやヒアルロン酸なども原理は全て同じです。
食べても飲んでも、お腹の中でバラバラになり、目的部位には
到達しないのです。



さらに、こうしたサプリメントの摂取に関して、全てのサプリに
特定栄養素の「過剰摂取」のリスクがあります。

例えば、ベータカロテンでさえ摂りすぎてしまうと、肺ガンや
心臓病のリスクが高まります。


出来るだけコラーゲンやグルコサミンの合成能力を保つには、
栄養バランスの良い食事、ほどよい運動、早寝早起きといった
行動を心掛けて、新陳代謝を良くすること
です。








<参考文献>
近藤誠(2012) 医者に殺されない47の心得 アスコム

心得31 コラーゲンでお肌はプルプルしない?グルコサミンは膝に直接届かない? ~その①お腹の中でバラバラになってしまうため~

今回は「コラーゲンやグルコサミンは身体に直接届かない?」
というテーマです。






近年、美肌・美白、運動能力向上、関節痛緩和などの効果が
期待されるコラーゲンやグルコサミンなどのサプリメントが
女性を中心に根強い人気を誇っています。


誤解している方が多いのですが、口から摂ったコラーゲンが
肌を直接プルプルさせるわけではなく、グルコサミンが膝に
届くわけでもないのです。


例えば、ゼラチンは100%コラーゲン由来で5g袋にコラーゲン
が4500mgほど含まれています。
もし本当にそれが肌に届くなら、ゼリーを良く食べる人はお肌
が一生プルンプルンに弾んで、100歳になってもシワとは無縁
でいられるはずです。



では、なぜコラーゲンもグルコサミンも目指す部位に直接届いて
くれないのでしょうか?


その理由は食べたものは全て一旦腸の中でバラバラに分解されたり、
血液に入ったりして、アミノ酸や糖の形で利用されるからです。


コラーゲンはタンパク質の一種、グルコサミンは糖の一種。
つまり、サプリでコラーゲンやグルコサミンを摂るということは、
僅かなタンパク質や糖を摂るのと同じことになります。



体内に吸収されたアミノ酸の一部はコラーゲンやグルコサミンに
合成されます。

しかし、コラーゲンは肌だけに利用されるのではなく、
全身のあらゆる組織に存在して、身体や皮膚や臓器の形
を支える構造材の役目をします。
そして年をとると、そのコラーゲン合成能力が低下してきます。
目に見える変化としては肌のハリが失われたり、
保水性が落ちてシワができやすくなります。


グルコサミンも全身の軟骨や結合組織のあちこちにあり、
軟骨細胞を形づくるために最も大切な栄養素の1つです。
そしてグルコサミンも加齢とともに合成能力が落ち、
軟骨のクッションはすり減ると増えないので、膝の痛み
などが出てくるのです。









<参考文献>
近藤誠(2012) 医者に殺されない47の心得 アスコム

心得30 コンブやワカメを食べ過ぎるとガンになる? ~その②閉経後はコンブやワカメの食べ過ぎに注意?~

今回は「閉経後はコンブやワカメの食べ過ぎに注意?」というテーマです。







コンブやワカメなどの海藻類は、身体に必要なミネラルが豊富
あるため、よく食べられています。


しかし、国立ガンセンターは2012年に「海藻に含まれるヨウ素は
生命維持に欠かせないミネラルだが、摂りすぎると甲状腺ガン発生
の原因となる可能性がある」
と発表しています。

同調査は9府県の40~69歳の女性約50000人を1990年代から
約14年間に渡り、追跡しました。

14年間に134人が甲状腺ガンになり、うち乳頭ガンが113人。
「海藻をほぼ毎日食べる」群が乳頭ガンになるリスクは、
「週2日以下」群と比べると3.81倍となり、
「海藻を週3~4日食べる」群も、2日以下のグループの
約2倍の女性が乳頭ガンになっていました。



閉経前の女性ではリスクの差はありませんでしたが、日本人の
食生活にはもともとヨウ素が豊富なので「過剰」には十分に
気を付ける必要がありそうです。











<参考文献>
近藤誠(2012) 医者に殺されない47の心得 アスコム

心得30 コンブやワカメを食べ過ぎるとガンになる? ~その①野菜は本当に身体にいいのか?~

今回は「野菜は本当に身体にいいのか?」というテーマです。






野菜に含まれるビタミンやミネラルは、生きていく上で絶対に
必要な栄養素
です。
しかし、これらの栄養素は身体の中で作ることができません。
そのため、体外から摂らなければならないのです。


近年、あたかも「ビタミン・ミネラルを何かで補わなければ」
と思ってしまうような警告が世の中に溢れています。

しかし、結論から言ってしまうとバランスよく食事を摂っている
人は、ビタミンもミネラルも足りています。

逆に、健康のためにと思って付け足すのはむしろ「有害」となります。

というのも、ビタミンやミネラルは摂りすぎると中毒症状が出たり、
ガンや心臓病のリスクが高まり、早死にの原因になることがあるからです。





1990年代にフィンランドで大規模な栄養介入試験が行われ、そこには
衝撃的な報告がありました。(フィンランドショック)

男性喫煙者29000人を合成ベータカロテンを与える群とプラセボ(偽薬)群
に分けて、5~8年間に肺ガンになる人を追跡しました。
その結果は予想を完全に覆すものでした。

ベータカロテン群はプラセボ群より、肺ガンの発生率が18%増加し、
肺ガンと心臓病による死も増え、飲まない群より総死亡率が8%高くなりました。
そんな結果を受け、「これを続けたら肺ガン患者を人為的に生むことになる」
と途中で試験が打ち切られています。


一方で、米国ガン研究財団と世界ガン研究基金が各国の500に及ぶ研究論文を
基にまとめた「ガン予防と食生活等の関連」では、野菜や果物をよく食べる
人は肺ガンリスクが減る、と報告されています。


しかし、アメリカのMDアンダーソンガンセンターによる初期乳ガンの治療
をした女性たちの10年がかりの信頼性の高い追跡調査では「野菜、果物、
食物繊維が豊富で極端に脂質の低い食事は、女性の乳ガン再発のリスクを
減らさない。国が推奨する量の野菜を食べている一般グループと比較して、
生存期間も同じ。」という結果が出ました。








<参考文献>
近藤誠(2012) 医者に殺されない47の心得 アスコム


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