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ブログ 47の心得

心得47 リビングウィルを書いてみよう

ついに、47の心得も今回が最後となりました。

最後は「どんな延命治療を希望しますか?」というテーマです。






リビングウィル(living will)とは、生前の意思という意味の英語の音訳。
生前に行われる尊厳死に対してであれば、「尊厳死の権利を主張して、
延命治療の打ち切りを希望する」などといった意思表示のこと。
また、それを記録した「遺言書」などのこと。
(Wikipediaより)


もう少し簡単に言うと、自分の死の間際にどういう治療を
受けたいかを判断能力があるうちに文章にしておく
ということです。


日本では、リビングウィルにはまだ法的な力はありませんが、
書いておくことで意識を失ったあとも、家族や医師に延命治療
についての自分の意思を伝えることが出来ます。


例えば、「鼻腔チューブ栄養のような強制的な栄養補給は一切不要」
・「人工呼吸が1週間続いて意識が戻らなかったら装置を外してほしい」
・「植物状態になっても出来るだけ生き続けたい」など、自分で
説明できなくなったときの「どう死にたいか」の希望
をなるべく
具体的に書き、身内の同意ももらって更新していきます。









<参考文献>
近藤誠(2012) 医者に殺されない47の心得 アスコム

心得46 ロウソクが消え入るような、転移ガンの自然死 ~その②穏やかに暮らすのか?、病気と闘うのか?~

今回は「穏やかに暮らすのか?、病気と闘うのか?」というテーマです。






ガンの生存率というものをよく聞きますが、
これに関しては保証はありません。

そこで、末期の状態になっても穏やかな最期を
迎えることを選ぶのか?

それとも、標準治療を選び、苦しんでも少しでも
長生きするかもしれない方法を選ぶのか?


いつか自分や家族がそうした選択をすることになった
ときのことを考えて、話し合っておくと良いかもしれません。


自宅での看取りを想定されている場合もあると思うので、
「臨終」について少し触れておきます。

自宅の場合、亡くなる1時間とか30分前まで話をしていた、
呼びかけに応えてニコニコしていた、ということも多いようです。

そして、いよいよ最後のときに近づくと、患者さんの
呼びかけへの反応が鈍くなります。

これを「意識レベルの低下」と言います。
大きく息をした後、10秒ほど息が止まり、また息をすることもあります。
苦しそうに見えることもありますが、このとき患者さんには
意識がないので、苦しみは感じていません。

その後、次第に顎を上下させる呼吸に変化していきます。
これを「下顎呼吸」と言い、最後の呼吸になります。

そして、呼吸が停止したら自宅の場合は医師に連絡をします。









<参考文献>
近藤誠(2012) 医者に殺されない47の心得 アスコム

心得46 ロウソクが消え入るような、転移ガンの自然死 ~その①治療をしなかった2人の自然死について {乳ガン患者の場合}〜

今回も「治療をしなかった2人の自然死について」というテーマです。






②乳ガン患者の場合

2人目の方は45歳の女性で、直径2センチ大の乳ガンが見つかり、
切るのを嫌って放置していました。

その4年後にはガンが20センチ大に増殖し、乳房全体がガンで覆われて、
皮膚は赤黒く変色し、場所によっては皮膚が破れて潰瘍ができて、
ガン細胞が露出して白い泡を吹いたような状態でした。

しかし、それほどひどい末期症状でありながら、
痛みを感じていなかったのです。

最後は寝たきりになり、ベッドで横たわったままの生活でしたが、
苦しみを訴えることもなく体力がだんだん衰え、ロウソクの火が
消え入るように亡くなりました。

4年前に手術を受けていたら、この女性はもう少し長生きできた
かもしれません。
あるいはもっと早く亡くなっていたかもしれません。









<参考文献>
近藤誠(2012) 医者に殺されない47の心得 アスコム

心得46 ロウソクが消え入るような、転移ガンの自然死 ~その①治療をしなかった2人の自然死について {胃ガン患者の場合}〜

今回は「治療をしなかった2人の自然死について」というテーマです。





①胃ガン患者の場合

1人目の方は、食道に近いところにできた胃ガンの患者さんで
「飲まず食わず」で亡くなった男性の話です。

この方は「治療したくない」というので様子を見ていたら、
7年ほど生きて、最後の方はガンがだんだん大きくなって、
食道をせばめてきました。

食道がせばまることで食べ物が通りにくくなって、
食欲が落ちていくのですが、本人は「このままにしてくれ」
と言いました。

食道をちょっと広げれば楽になって、もうちょっと長生き出来る
かもしれないとか、いろいろ提案したのですが、本人は昔手術で
苦しんだ経験があり、何を言っても「イヤです」の一点張りでした。

そして、次第に食べられなくなって痩せていき、
水は何とか飲めていました。

その後、食道を広げる施術を拒んで3週間ほどして、
亡くなったという連絡が入りました。
衰弱死というのか餓死というのか、スーッと消えるような逝き方でした。








<参考文献>
近藤誠(2012) 医者に殺されない47の心得 アスコム

心得45 いきなり進行ガンが見つかったらどうするか? ~ガンを宣告されたときの対処法②~

今回は「ガンを宣告されたときの対処法②」というテーマです。







Q:胆嚢ガンと診断された

進行した胆嚢ガンと診断され、抗ガン剤治療をすすめられています

近藤先生は消化器のガンには抗ガン剤が効かないと仰いますが、
ある雑誌に自分と同じ胆嚢ガンが抗ガン剤で消えたケースが
載っていました。
例外もあるのでしょうか?



A:抗ガン剤は避ける

一般の方は抗ガン剤でガン腫瘤が「消失」・「縮小」したら、
治る・延命すると感じるでしょう。
しかし、そこには誤解があります。

胆嚢ガンが抗ガン剤で消失するのは稀で、患者全体の1%前後。
他のガンでも精巣腫瘍と絨毛上皮ガンを除いて、"完全消失"の
確率は同様です。
そして、この貴重な1%のケースも治ることはないのです。
"完全消失"といっても、ガン腫瘤が検査で発見できない大きさに
なっただけで、ガン腫瘤は必ず再増大してきます。

そして、抗ガン剤には毒性があり、繰り返し投与すると
すぐ致死量に達します。


抗ガン剤治療の専門家たちは、ガンが縮小・消失すれば
「有効」・「効いた」と発言し続け、世間を錯覚させています。
また、ガン腫瘤が完全縮小したケースをマスコミに紹介するだけで、
患者のその後を紹介しないのも一般人を錯覚させる策略です。








<参考文献>
近藤誠(2012) 医者に殺されない47の心得 アスコム

心得45 いきなり進行ガンが見つかったらどうするか? ~ガンを宣告されたときの対処法①~

今回は「ガンを宣告されたときの対処法①」というテーマです。







Q:胃ガンと診断された

60歳の男性です。
急にものを食べられなくなったので、内視鏡検査を
受けたら胃ガンで胃の出口が狭くなっていました。
CT検査で肝臓に2ヶ所転移巣が見つかり、
手術と抗ガン剤治療をすすめられています。
どうしたらよいでしょうか?




A:治るのを諦めるのが第一歩

日本の外科医の多くは肝転移があっても、
胃の摘出術をすすめます。

しかし、全摘はもちろん、部分的に切り取っても
QOL(生活の質)が落ち、命を縮めます。
そのため、切除手術はおすすめできません。

そして、この場合は抗ガン剤治療も受けないのが最善策です。
なぜなら、胃ガンに有効な(延命効果のある)化学療法は
ないからです。


では、どうするか?
身もふたもない言い方ですが、治るのを諦めることが第一歩です。
なぜなら、治そうと思うと無意味な治療に走り、
その結果として命と財産を損ねるからです。

そして、症状緩和や延命という現実的な目標を立てるべきです。

この場合は、口から食べられるようにすることが大切です。
例えば、狭さく部位を迂回して、食道を胃あるいは
小腸につなぐバイパス手術です。
ただ、開腹するまで腹膜転移の有無がわかりらないため、
仮に腹膜にも転移していたら、開腹しただけ損することになります。

第2の方法は、ステント挿入術
網目状になった金属製の筒を折り畳むと細い棒のようになります。
内視鏡で見ながら、この棒をガン腫瘤で狭くなった胃幽門(出口)
に挿入、先を十二指腸へ届かせます。
ステントを開く(傘を開くイメージ)と、腫瘤が押しのけられ、
胃と十二指腸の間にトンネルができ、経口摂取が可能になるのです。









<参考文献>
近藤誠(2012) 医者に殺されない47の心得 アスコム

心得44 100歳まで働き続ける人生設計をする? ~普通に100歳まで働く時代が来る?~

今回は「普通に100歳まで働く時代が来る?」というテーマです。





2012年9月、100歳以上の日本人が5万人を超えたと
厚生労働省が発表しました。

2052年には100歳以上の日本人は70万人に達すると推計されています。

単純計算で、今60歳以上の日本人の内70万人が、
40年後もまだこの世にいる計算になります。

そう考えると、遠からず普通に80歳、90歳、100歳まで
働き続ける時代がやってきても不思議ではないのかもしれません。





そんな超長寿社会を歩いていく私達は、
発想を大きく切り替える必要があります。

雑誌『日経ビジネス』(2012.9・10号)の特集
「隠居ベーション〜100歳まで働く時代がやってくる」に、
定年後を豊かに過ごすための心得が載っていました。


●社会環境に合ったスキルを先取りして身につける
→定年後も社会環境に「取り残されない」のではなく、
 「先取り」していく必要があります。

●長く健康で働けるように、自発的な健康管理を心掛ける
→いつまでも元気に「生きられるように」ではなく、
 「働き続けられるように」健康管理を心掛ける必要があります。

●これまで培った「人的資産」を、次世代に還元する方法を考える
→今まで培ってきた人間関係は「旧交を温める」のではなく、
 「社会還元に活用」する必要があります。

●会社員時代の地位やプライドは百害あって一利なし
→会社員時代の地位やプライドは「しがみつく」のではなく、
 「忘れる」必要があります。








<参考文献>
近藤誠(2012) 医者に殺されない47の心得 アスコム

心得43 喜怒哀楽が強い人ほどボケない? ~五感を通して、ボケを防ぐ?~

今回は「五感を通して、ボケを防ぐ?」というテーマです。





「ボケは孤独病」とも言われます。

例えば、一日中ひとりでテレビを見ているのが日常になると、
人はみるみるボケていきます。

なぜなら、テレビを見ているときの脳が完全に受け身の状態であり、
これはボーッとしていることと同じことのため、脳が衰えてくるのです。

また、手足もほとんど動かさないので身体も衰えてきます。


しかし、同じひとりでも「孫にプレゼントしようと思い編み物をする」・
「懸賞が好きで暇さえあれば応募ハガキを書いている」・「お菓子を
焼いて友達に配る」など、それぞれ楽しみがあって手足と脳をよく
使っている人はボケにくいのです。





話は少し変わりますが、脳の中で記憶を司っているのは「海馬」
というタツノオトシゴのような形をした器官ですが、もうひとつ
記憶に関わる「扁桃体」という器官があります。

扁桃体は五感を通して脳に入った情報への、「好き」・「嫌い」・
「嬉しい」・「怖い」などの情動反応、まさに喜怒哀楽を処理しています。


この扁桃体と結びついた「最高にワクワクした」・「涙が止まらなかった」
・「足がすくんで動かなかった」などの心を強く動かされた体験は、
記憶に深く刻まれて、いつまでも覚えています。
逆に、心が動かなかったことはすぐに忘れてしまう。

何かを覚えるときも「どうしても知りたい」思いが強かったり、
「この試験を落としたら落第」のようなプレッシャーがあったり
すると記憶力が一気に高まります。


つまり、喜怒哀楽が強いほど脳は素晴らしく活性化して、
記憶の引き出しも増えるということです。


ボケを防ぐには、意識して喜怒哀楽の振り幅を大きくして、
色々なことに好奇心を持ち、笑ったり涙してください。


五感を萎びさせないことが、脳を萎びさせない秘訣でもあるのです。







<参考文献>
近藤誠(2012) 医者に殺されない47の心得 アスコム

心得42 ぽっくり逝く技術を身につける? ~その②元気に、長生きできる4つの習慣?~

今回は「元気に、長生きできる4つの習慣?」という
テーマです。






前回、人間はなかなかぽっくりとは逝けないという話をしました。

ただ、ぽっくり逝く可能性を高める方法はいくつか考えられます。



救急のとき以外は病院に行かないこと。

これだけで、検査のために放射線を浴びたり、無意味な手術や
薬害で苦しんだりして亡くなるリスクがグンと減ります。



リビングウィル(終末期の医療・ケアについての意思表明書)
 を書き残すこと。

自分が倒れたときの延命治療についての希望を明記し、
家族に渡します。


転倒を防ぐこと。

年をとると身体のバランスを取りにくくなり、転倒骨折しやすくなります。
骨折後にそのまま寝ついて、一気にボケてしまうことがよくあります。

階段の上り下りはバランス感覚のよい訓練にもなるので、
なるべく階段を使うことをお勧めします。
但し、階段で転んでしまっては元も子もないので、くれぐれも
無理のない程度に行い、必ず手すりを持つようにして下さい。



ボケを防ぐこと。

ボケてしまったとしても、「噛んで飲み込む」機能は保たれ、
内臓も元気なので、ケアが行き届いている程10年15年と
生き続けることになります。

家族を不幸にしないためにも、手足をよく動かしてボケを
遠ざけましょう。









<参考文献>
近藤誠(2012) 医者に殺されない47の心得 アスコム

心得42 ぽっくり逝く技術を身につける? ~その①心臓病では、ぽっくり逝けない?~

今回は「心臓病では、ぽっくり逝けない?」というテーマです。






2011年、全国の20〜89歳の男女924人を対象に第一生命経済研究所
が行った「理想の死に方」アンケートを見ると、
「ある日心臓病などで突然死ぬ」を選んだ人が全体で70.9%。
60代では82.9%にのぼっています。


驚くことに、ぽっくり逝きたいと考えている人が7〜8割もいるのです。
その理由としては、「家族に迷惑をかけたくない」・「苦しみたくない」
・「寝たきりで生きていても仕方がない」などが挙げられました。

確かに、ボケて家族に迷惑をかけたり、寝たきりになってチューブで
栄養を入れられたり、ひどい苦痛や不自由にうめきながら生き続ける
といったことは敵いません。



しかし、人間なかなかぽっくりとは逝けないのです。

例えば、7割以上が望んでいる「ある日心臓病などで突然死ぬ」ということ。

今、日本人の死因でガンの次に多いのは肺炎を除くと
心臓病と脳卒中であり、この2つはぽっくり逝けると
思われがちですが、ウッときてすぐ死ねる人はとても少ないのです。


実際には、ほとんどの人が何回も発作を繰り返して、
その都度生き延びて、だんだん症状がひどくなっていきます。


脳出血にしても、脳幹(脳の中心部)に大量出血したら
呼吸や心臓の中枢が壊れて、すぐ死ねます。
しかし、よくある大脳半球内の出血では手足の片側の麻痺が長く続きます。




2012年6月、厚生労働省が「健康寿命」という新しい指標を出しました。

これは「介護を受けずに、自立して健康に生活できる」年齢を意味します。

2010年は男性70.42歳、女性73.62歳とされています。
そして平均寿命は男性79.55歳、女性86.3歳。

あくまでデータ上ですが、日本人は亡くなる前に平均10年前後も
「健康ではなく、介護なしでは暮らせない」という日々を過ごして
いるということになります。


しかし、こうした実態は超長寿国である日本の現実なのです。









<参考文献>
近藤誠(2012) 医者に殺されない47の心得 アスコム

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