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4人に3人が食品添加物を支持している?

今回は「4人に3人が食品添加物を支持している?」というテーマです。

 

 

財団法人福岡都市科学研究所という団体が行った調査で、「農業や食に関する安全性の意識と実際に買い物をする行動」を調べたところ、面白い結果が出ました。

 

内容は15歳以上の男女1700人に、次の4つのような消費者のタイプを設定し、「自分がどれに当てはまると思うか」という質問です。

 

①積極的消費者

「食と農」は生命の源なので、安全なものなら多少高くても買うし、虫がついていても平気。

また、援農などの農水産家を支援する活動にもなるべく参加している。

 

②健康志向型消費者

家族の健康や食の安全性を守るために食生活に注意しているし、生協の購入活動や青空市場などもよく利用している。

 

③無関心型消費者

日々忙しくて、食のことは大事だと思うが、安くて美味しいものが食べられればそれで満足。

 

④分裂型消費者

食の安全性や家族の健康には注意しているが、特別なことはやっていない。

 

 

そして、この結果が次のようになります。

①積極的型消費者→5.5%

②健康志向型消費者→16.6%

③無関心型消費者→23.0%

④分裂型消費者→52.4%

 

この調査で見逃せないのは、食の安全のためなら少々高いお金を出すという「①積極的型消費者」「②健康志向型消費者」の2つを合わせても22.1%しかいないのに対して、食の安全に注意はするものの特別なことはやっていないという「分裂型消費者」が全体の半分以上いるということです。

 

つまり、半分以上の人が食の安全に関して、意識と行動が一致していない。

確かに、農薬や添加物は身体に良くないとは思いつつも、安かったり面倒くさかったりしたらそれを選んでしまう。

 

そんな「分裂型消費者」に合わせて、そもそも食の安全にあまり興味のない「③無関心型消費者」を足すと75.4%にものぼります。

 

端的に言ってしまえば、国民の75%が安全性に無関心だということです。

それは逆の見方をすれば、4人に3人の消費者が農薬や添加物を支持しているということなのです。




<参考文献>
食品の裏側 〜みんな大好きな食品添加物〜
(東洋経済新報社・2005)
著者:安倍司

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あなたの小さな選択が食と心を変える?

今回は「あなたの小さな選択が食と心を変える?」というテーマです。

 

 

前回のお話の内容から、消費者も添加物を支持しているという現状がある以上、「メーカー=加害者」vs「消費者=被害者」という図式は成り立ちません。

 

消費者もまた、添加物蔓延の片棒を担いでいると言っていいからです。

 

しかし、それは逆に言えば11人の消費者行動こそが、メーカーや販売者を動かす機動力となりうる、こということでもあります。

 

 

例えば、20種類もの「白い粉」をバサバサと混ぜ込んで、赤ちゃんみたいなツヤツヤの肌にして、不自然なほど鮮やかなピンクに染めたタラコが本当に必要でしょうか?

いくら色が綺麗だからといって、虫をすり潰して抽出した物質で染めた、そんな飲み物やハムがどうしても必要でしょうか?

イオウ化合物の漂白剤のプールで、これでもかというほど真っ白に漂白した漬物や野菜が本当に必要でしょうか?

 

スーパーで買い物をするとき、今日の献立を考えるときに私たちは常に小さな選択を迫られています。

どうか、自分のために子供の未来のために、価値ある選択をして下さい。

 

あなたの小さな選択の一つ一つが、日本の豊かな食文化と日本人の心を取り戻す大きな流れに繋がるのだと信じています。




<参考文献>
食品の裏側 〜みんな大好きな食品添加物〜
(東洋経済新報社・2005)
著者:安倍司

みんな食品添加物が大好き

今回は「みんな食品添加物が大好き」というテーマです。

 

 

これまで、食品を作る側に対して色々と努力が必要だということを伝えてきました。

 

その一方で、消費者側にも問いたいことがあります。

 

メーカー側はこんな風に言います。

「消費者は値段で買うため、安くするためにはコスト面で添加物を使わざるを得ない」

「色の悪い食品なんて誰も買ってくれないから、着色料や発色剤を使わざるを得ない」

 

 

例えば、着色料も発色剤も化学調味料も使わない完全無添加の明太子を作ると、消費者は「この明太子は腐っている」「味がおかしい」といった抗議を受けてきました。

それは、消費者がタラコや明太子はきれいなピンク色で化学調味料の味がするのが当たり前だと思っているからです。

 

他にも、「色が黒ずんだたくあん」では消費者は見向きもしないので、着色料を使って黄色くツヤツヤに染めざるを得ないのです。

 

 

それから、多くの消費者は値段を見るので、安いものほど売れ、高いものはなかなか売れません。

しかし、手作りしようとするとどうしても高くなってしまいます。

なので、加工食品業者は安い輸入原料に添加物を使って安く作り、安く売るのです。

 

ゼリーで増量したハム、大豆たんぱくで増量したハンバーグ、◯◯の素、◯◯のタレなどは安く、簡単、便利だからどんどん売れます。

 

消費者はそうした商品がどのように作られているか、何が入っているか、「裏」を見ません。

なんてことはない、消費者も食品添加物が大好きなのです。




<参考文献>
食品の裏側 〜みんな大好きな食品添加物〜
(東洋経済新報社・2005)
著者:安倍司

「無添加」に甘えてはいけない

今回は「無添加に甘えてはいけない」というテーマです。

 

 

添加物を使わずに加工食品を作るには、大変な努力が必要となります。

添加物を使えば即座に解決できるような問題が、逆に添加物を使わないと手間が何倍もかかるのです。

 

しかし、だからといって「無添加だから、味は不味くてもいい」「無添加だから、すぐに腐ってもいい」ということにはならないと思います。

 

「アンチ添加物=無添加=いいもの」

そういった図式が世間にはありますが、無添加ゆえに美味しくないものや、腐ったものまで「いいもの」になってしまっています。

 

無添加だからと言って、無理して食べることがいいことなのでしょうか?

そうではなく、食品として美味しい物ではなければと安部氏は考えています。

 

無添加ということに甘えてはいけない。

そこに無添加の難しさがあるのです。

 

添加物を外すなら、外した分だけ手間と工夫と知恵が必要になります。

添加物を使わずに食品を作れば、手のかけ方、熟練した経験などによってまちまちな味になります。

それを美味しいものに仕上げていく。

いわば無添加は「料理の世界」と同じだと思うのです。




<参考文献>
食品の裏側 〜みんな大好きな食品添加物〜
(東洋経済新報社・2005)
著者:安倍司

味覚破壊された「舌」は必ず取り戻せる?

今回は「味覚破壊された舌は必ず取り戻せる?」というテーマです。

 

 

以前、味覚を破壊する「3点セット」である、塩・化学調味料・たんぱく加水分解物の話をしましたが、一度「舌」が壊れてしまったら、もう一生治らないということでは決してありません。

 

添加物をなるべく避け、手作りの食生活を心掛けていくと、「舌」は必ず取り戻せます。

 

出来合いの食べ物や加工食品が食卓に並ばなくなってくれば、「舌」が化学調味料やたんぱく加水分解物を嫌がってくるのです。




<参考文献>
食品の裏側 〜みんな大好きな食品添加物〜
(東洋経済新報社・2005)
著者:安倍司

食の大切さを教えるには、料理する姿を見せること

今回は「食の大切さを教えるには、料理する姿を見せること」というテーマです。

 

 

野菜でも肉でも、育てたり、加工したりとそれが食卓に運ばれてくるまでの過程を見せることはなかなか難しいことです。

なので、料理を作る過程「見せる」ことが大切になってくるのです。

料理も食の大切さを肌で学ぶ素晴らしい機会なのです。

料理というのは、加工品に頼らず手作りしたら、12時間は平気でかかります。

 

例えば、スーパーで売られているポテトサラダは業者から買ってきた出来合いのものを小分けして売っているだけです。

 

そのポテトサラダは、最初からマッシュしてあるポテトとマヨネーズも本物でない「マヨネーズもどき」を使い、「pH調整剤」・「化学調味料」・「グリシン」・「乳化剤」・「酸味剤」といった添加物を混ぜ込んで作ったものです。

 

そんなポテトサラダばかりを食べていると、添加物の味を覚えるだけでなく、ポテトサラダはこんなに簡単なものかと思ってしまいます。

 

しかし、ポテトサラダを手作りしたら、大変な手間のかかる料理だということがわかるはずです。

 

工程としてはじゃがいもを煮て、皮を剥き、粉ふきにしてよく潰し、玉ねぎは刻んでさらし、胡瓜は板ずりして切り、卵を茹でて皮を剥いてみじん切りにする。

それらをマヨネーズ、塩、胡椒で和える。

じゃがいもを煮る時間を含めたら1時間以上かかります。

そんな過程を見たら、よもや簡単には捨てられないはずです。

 

ところが、惣菜売り場にあるポテトサラダは誰が作ったか分かりません。

そのため、「情」を持てないから、食べ残したら平気で捨てられます。

 

1時間以上かけてポテトサラダを手作りするという姿を見せるだけで、幾多の言葉よりも重いものを伝えることが出来るのではないでしょうか。




<参考文献>
食品の裏側 〜みんな大好きな食品添加物〜
(東洋経済新報社・2005)
著者:安倍司

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