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ガン検診の考察

今回は「ガン検診の考察」というテーマです。

 


 

ガン検診が死亡率を減らせないことは、ガンが転移する時期を知れば自明です。

 

つまり、転移する能力があるガン(ガン細胞)は、初発病巣が発見可能な大きさ(1センチ)に育つずっと前に転移してしまっている。

そのため、検査でガンを発見しても臓器転移があるので、治せないわけです。

これが「本物のガン」です。

 

これに対し、転移能力がないガン細胞は数がいくら増えても転移できないため、放っておいても宿主が死ぬことがない。

「潜在ガン」のほとんどがこれで、見方を変えると「ガンもどき」です。

 

潜在ガンのような、放っておいても死なないガンを検査で見つけて手術して「治った」と言っても意味がないわけです。

 

 

自覚症状のない人に検診で発見される「ガン」に占める、ガンもどきと本物のガンの割合は部位によって異なります。

 

前立腺ガン、乳ガン、子宮頚ガンは、ほぼ全てが「潜在ガン」であり「ガンもどき」です。

 

胃ガン、大腸ガンはステージ1で見つかった場合には、ほとんどが「ガンもどき」です。

しかし、検診で進行ガンが見つかるケースもあり、その場合には「本物のガン」である可能性が高くなります。

 

肺ガンはステージ1で見つかっても、「本物のガン」の可能性が2割程度あります。

ステージ3だと8割以上です。

 

膵臓ガンは、ほぼ全てが「本物のガン」です。





<参考文献>
もう、がんでは死なない ~二人に一人ががんになる時代の最高の治療法~
(マガジンハウス・2020)
著者:近藤誠

カテゴリ:

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ガンを遠ざける、健康長寿の習慣

今回は「ガンを遠ざける、健康長寿の習慣」というテーマです。

 

 

 

これまで「ガン」や「治療」について検討してきましたが、できれば一生ガンにならずにいたいものです。

 

では、どうしたら「ガン」にならずに済むのでしょうか?

 

この点、ガンには「老化現象」の側面があるので、絶対にガンにならないというのは無理でしょう。

但し、生活態度を変えた人はガンになる可能性を減らすことが出来るはずです。

 

というのも、ガンになる原因である正常細胞の遺伝子変異のうち、その3割が生活習慣によるからです。

 

つまり、生活習慣を変えて遺伝子変異を減らすと、発ガン率を最大3割も減らせる可能性があるわけです。

 

具体的に挙げると、

①「タバコ」と「お酒」

②「食事」

③「サプリメント」

④「肥満」と「痩せ型」

などがあります。





<参考文献>
もう、がんでは死なない ~二人に一人ががんになる時代の最高の治療法~
(マガジンハウス・2020)
著者:近藤誠

インフルエンザ脳症は薬害だった?

今回は「インフルエンザ脳症は薬害だった?」というテーマです。

 

 

 

解熱剤は死亡率をも高めます。

この点、動物実験では解熱剤を使うと無投薬に比べ、死亡率が上がることが示されています。

どの解熱剤でも、ウイルスの種類が違っても、解熱剤を使った動物の死亡率が上昇します。

 

また、人ではインフルエンザのような発熱性の感染症にアスピリン、ジクロフェナクなどを使うと「ライ症候群」が生じることがわかっています。

急性脳症が生じて死亡し、生き残っても麻痺や言語障害などが残るのです。

 

過去に「インフルエンザ脳症」とされてきた病態は、インフルエンザウイルスによるものではなく、「薬剤性脳症」つまり「薬害」と考えるのが妥当です。

 

 

脳症が生じる仕組みは「サイトカインストーム」(免疫物質の嵐)だと考えられます。

新型コロナでも、重症化原因に挙げられてきます。

サイトカインストームが起きる仕組みは、解熱剤で治るまでの期間が長期化する仕組みとほぼ同じです。

 

解熱剤で免疫細胞の活動が抑えられたあと、薬の影響が薄れて活動を再開した免疫細胞は、ウイルスが前より増えているのに驚いてしまう。

その結果、免疫細胞がウイルスと闘うために分泌する「サイトカイン」が大量に放出され、血流に乗って全身に回り、血管や肺などの臓器・組織を傷つけるわけです。

脳細胞がやられると「脳症」になります。

 

 

新型コロナでは高齢者や基礎疾患など「重症化因子」を持つ人で、サイトカインストームが生じやすく、死にやすいようです。

新型コロナで多数が亡くなっている欧米でも、解熱剤が当然のように使われていることが死亡率が高い一因なのでしょう。




<参考文献>
もう、がんでは死なない ~二人に一人ががんになる時代の最高の治療法~
(マガジンハウス・2020)
著者:近藤誠

解熱剤で症状が長期化する?

今回は「解熱剤で症状が長期化する?」というテーマです。

 

 
 

「新型コロナウイルス」の初期症状は鼻水や咳、発熱や喉の痛み、筋肉痛などで、普通の風邪やインフルエンザと見分けることは困難です。

 

しかし、こんなご時世のため、風邪の症状があれば多くの方が「コロナでは?」と緊張・警戒をします。

 

ここで最も肝心なのは、熱があってもそれを下げる薬を飲まないことです。

具体的にはアスピリン、ロキソニン、イブプロフェン、アセトアミノフェンなどの「解熱剤」です。

 

薬局で売っているものも、医療機関で処方してされたものでも、説明文書に「解熱剤」とあったら、服用してはいけません。

解熱剤を飲むと、感染症状が長引き、重症化しやすいからです。

 

そもそも体温上昇は、ウイルスや細菌などの「病原体」が引き起こしているのではなく、身体の「調節システム」が指令して、筋肉を震えさせるなどして発熱させているのです。

熱が出たときに身体がブルブルと震えるのは、体温を上げるための作業なのです。

 

というのも、体温が高いほど病原体の活動が弱まり、逆にリンパ球など「免疫細胞」の働きが増強するからです。

それなのに、解熱剤で熱を下げると免疫細胞の働きが低下して、病原体が解熱剤を使う前より数を増やしてしまいます。

それで「いつまで経っても風邪がぬけない」となるわけです。





<参考文献>
もう、がんでは死なない ~二人に一人ががんになる時代の最高の治療法~
(マガジンハウス・2020)
著者:近藤誠
 


ガンもどき理論の強み

今回は「ガンもどき理論の強み」というテーマです。

 

 

 

ガンには2種類あります。

発見されたときに転移しているケースと、いつまでたっても転移できない「ケース」

 

前者はガンと呼ぶのに相応しいので、「本物のガン」。

後者はいわばニセモノのガンなので、「ガンもどき」と呼びましょう。

ガンもどきは放っておいても、本物のガンに移行・変化しないのです。

 

 

では、両者の区別はできるのか?

 

ガンもどきと本物のガンは性質が大きく異なりますが、病理診断(顕微鏡検査)では、どちらも「ガン」と診断されます。

言い換えると、病理診断で「ガンもどきと断言できる」ケースは存在しないのです。

 

しかし、概念的には両者を区別することに実益があります。

 

まず、目の前の「ガン」がもし「ガンもどき」なら、転移が生じることはないので、放っておいても命取りにはなりません。

 

これに対して、もし「本物のガン」であれば、手術をしてもどこかに転移があるので治らない。

それどころか手術をすると、ガンが暴走して早死にする可能性があります。

 

 

このように「手術」との関係で、考え方を整理でき、方針決定に役立つのが「ガンもどき理論」の強みなのです。




<参考文献>
もう、がんでは死なない ~二人に一人ががんになる時代の最高の治療法~
(マガジンハウス・2020)
著者:近藤誠

ガンを放っておいても転移しないという根拠

今回は「ガンを放っておいても転移しないという根拠」というテーマです。

 

 

 

この根拠の基本は、「ガン細胞の増え方」です。

 

ガン細胞が誕生すると、2分裂を繰り返して248個と増えていき、ガン病巣が発見可能な1センチの大きさでは「10億個」ものガン細胞が詰まっています。

 

そこに至るまで520年ほどかかりますが、「それほど長い間」「そんなに多数になるまで」転移できなかったこと自体が、ガン細胞に「転移する能力がない」証拠になるでしょう。

転移能力がなければ、その後いくら放っておいても転移できない道理です。

 

 

「いやいや、10億個になったあとも遺伝子が突然変異して、転移能力を身につける可能性がある」という反論はどうか?

 

これもやはり、「可能性」を論じるだけで、具体的なデータを示さない。

10億個になるまで転移できなかった、という事実は重いはずです。

 

 

いつ転移が生じるかに関しては、具体的な研究データもあります。

のちに東大外科教授になった草間悟氏が、米国留学時代に66人の乳ガン患者における転移病巣の大きくなり方を調べたデータです。

 

結果、ほぼ全員が早期発見可能な大きさのときに転移していました。

 

このように、ガンを放っておいても転移しないことは推論ではなく、観察事実に基づいています。

 

 

また、実験医学の分野でも証拠があがってきました。

例えば、乳ガンでは生まれて間もないガン病巣からガン細胞が離れ、転移してしまうことが確かめられています。

 

そうした実験結果を受け、世界で最も権威がある医学誌に「乳ガン転移のタイミング」という解説記事が載り、「ガン細胞は生まれた途端に転移し始める」という考えを支持しています。


<参考文献>
もう、がんでは死なない ~二人に一人ががんになる時代の最高の治療法~
(マガジンハウス・2020)
著者:近藤誠

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