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心得26 よくある医療被害ケーススタディ ~ケース①~

今回から医療被害のケースを4つほど、
Q&Aの形で紹介していきたいと思います。



[ケース①]検診ですすめられた検査を受けて、急性膵炎に。


Q:50代の妻が検診で引っかかり、胆管と膵臓の検査(ERCP)を
  受けたら、急性膵炎になってひどい苦しみようでした。
  受けない方がよかったでしょうか?


A:ERCPの正式名は「内視鏡的逆行性胆道膵管造影」といい、
  十二指腸まで内視鏡を入れて胆道と膵管に造影剤を注入し、
  X線写真を撮る検査です。
  
  膵管に造影剤を入れたとき、何かのきっかけで膵液が漏れて
  周りの組織を溶かしてしまい(膵液は強力な消化酵素を含みます)、
  急性膵炎が発症するわけです。
  

  急性膵炎と聞くと、急性の上気道炎(つまり風邪)程度の症状を
  想像するかもしれませんが、風邪とは桁違いに症状が重いです。
  脂汗を流すほど激烈な腹痛があるので、本人は死ぬかと思うはずです。
  
  
  そして、ERCPで急性膵炎が生じることは決して少なくなく、
  本当に死亡する場合もあるのでおすすめできません。
  








<参考文献>
近藤誠(2012) 医者に殺されない47の心得 アスコム

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