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胃の2種類の動きを使い分ける

今回は「胃の2種類の動きを使い分ける」というテーマです。
 
 
胃の動きには大きく分けて、「食後の運動」「空腹時の運動」があります。
 
<食後の運動>
胃に食べ物が入ると、胃の出口付近の「幽門前庭部」が1分間に3回、規則的に動いて食べ物を細かく砕き、2mm以下になったものを胃から排出する。
この運動は食後3〜4時間続く。
 
<空腹時の運動>
午前0時から朝方までの空腹時、胃の上部の「穹窿(きゅうりゅう)部」が強く収縮して、食べ物の残りカスや脱落した胃の細胞を、一気に胃の外に押し流して掃除をする。
 
 
私たちは日中に活動し、夜中に睡眠をとっていますが、胃はこの逆で夜中の空腹時の方が、食後よりずっと活発に動いているというわけです。
 
しかし、夜遅くに食事をすると食後の胃の運動が夜中にも続いてしまい、空腹時の運動になかなか移行できなくなります。
胃の掃除が十分にできていないと、胃もたれに繋がり、他の臓器に回るべき血流が胃に集中するため、身体全体に負担がかかってくるのです。

夜食事をするなら、遅くとも9時までには済ませて、胃の掃除力を味方につけたいところです。
 
夜中にずっと動いていた胃も、明け方になると動きが鈍ります。
そして、朝になると交感神経が緊張し、胃の動きを抑制します。
また、ストレスホルモンであるCRF(Corticohormone Releasing Factor)が脳の視床下部から分泌され、胃の蠕動運動(腸管の口側が収縮し、肛門側が弛緩して内容物を先へ押し出していく運動)を弱めてしまいます。
 
従って、朝には胃の働きをあまり必要とせず、できれば白湯のみが望ましいと言えます。
何か食べるのであれば、酵素が含まれる生野菜や果物などを摂ると良いでしょう。



<参考文献>
医者が患者に教えない病気の真実
(幻冬舎・2013)
著者:江田証

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