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心得26 よくある医療被害ケーススタディ ~ケース②~

[ケース②]ガンを切除したあとに「ガンではなかった」と言われた。


Q:昨年、胸の2センチのしこりを乳ガンの「クラス5(確実に悪性)」
  と診断され、40代の私は乳房全摘手術を受けました。 
  ところが手術後の再検査では「クラス2(悪性ではない)」の判定。
  別の検査では線維腫と診断され、ガンではなかったことが判明。
  病院側もミスを認め、弁護士同士の話し合いに入っています。  


A:線維腫は良性の病変で、乳房切除の必要はありません。  
  このように良性の病変が顕微鏡による病理診断で乳ガンと誤診
  され、片方の乳房を皮一枚残して無残に切り取られてしまう
  ことは少なくありません。 
  
  近藤氏の経験でも、他病院で組織や細胞の検査をして
  「乳ガンです。乳房を切除します。」と言われて相談に来た
  人たちの標本を取り寄せ、病理医に再度診断してもらうと、
  「良性」に変更されることがしょっちゅうあります。
  患者さんたちがそのまま乳房切除を受けていたら、と考える
  と恐ろしくなります。
 
  今は減ったと思いますが、20年前は日本の乳ガン手術の1割以上、
  年間2000人以上が良性なのに乳房が切除されていたと推定されています。








<参考文献>
近藤誠(2012) 医者に殺されない47の心得 アスコム

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