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ドロドロのくず肉が30種類の添加物でミートボールに甦る?
今回は「ドロドロのくず肉が30種類の添加物でミートボールに甦る?」というテーマです。
そのミートボールは、スーパーの特売用商品として、あるメーカーから依頼されて開発したものでした。
依頼の発端はそのメーカーが、「端肉」を安く大量に仕入れてきたことでした。
端肉というのは、牛の骨から削り取る肉とも言えない部分。
この状態のままではミンチにもならないし、味もないため、とても食べられる代物ではありません。
しかし、「牛肉」であることには間違いなく、安いのです。
そんな「端肉」を食べられるものにするにはどうしたらいいのか?
まず、安い廃鶏(卵を産まなくなった鶏)のミンチ肉を加え、さらに増量し、ソフト感を出す為に、「組織状大豆たんぱく」というものを加えます。
これは「人造肉」とも言われ、今でも安いハンバーグなどには必ず使われています。
これで肉のベースは出来ましたが、このままでは味がありませんから、「ビーフエキス」「化学調味料」などを大量に利用して味をつけます。
歯触りを滑らかにするために「ラード」や「加工でんぷん」も投入。
さらに、機械で大量生産する作業性をよくするため、「結着剤」「乳化剤」も入れます。
他にも、色を良くするために「着色料」、保存性を上げるために「保存料」「pH調整剤」、色褪せを防ぐために「酸化防止剤」も使用。
これでミートボール本体が完成しました。
これにソースとケチャップを絡ませれば出来上がりなのですが、このソースとケチャップもいわゆる「市販」のものは使いません。
コストを抑えるために添加物を駆使して、「それらしいもの」を作り上げるのです。
氷酢酸を薄め、カラメルで黒くし、「化学調味料」を加えて「ソースもどき」を作り、トマトペーストに「着色料」で色をつけ、「酸味料」を加え、「増粘多糖類」でとろみをつけて「ケチャップもどき」を作り上げます。
このソースをミートボールに絡めて真空パックに詰めて、加熱殺菌すれば「商品」の完成です。
それは本来ならば廃棄となるくず肉に、添加物を種類にして20〜30種類は使用して、「食品」に仕立て上げた。
もはや「添加物の塊」と言っても過言ではないものです。
<参考文献>
食品の裏側 〜みんな大好きな食品添加物〜
(東洋経済新報社・2005)
著者:安倍司