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心得37 「手当て」でストレスを癒す ~その①1日20分触れると暴言や暴力癖が治る?~

今回は「1日20分触れると暴言や暴力癖が治る?」というテーマです。






幼いころに熱が出たり、お腹が痛くて泣いていると親が
「どれどれ」とおでこやお腹に手を当ててくれ、その手
のぬくもりに安心して寝てしまった。

こんな魔法のような「手当て」の記憶をお持ちの方は多い
と思います。


「愛情を込めて手を当てる」
これは最もシンプルで医療がどれだけ進歩しても、何もの
にも代えがたい癒しの原点と言えます。

痛みや苦しみも、愛情に満たされたり、不安が和らいだり
することで不思議なことに驚くほど軽くなったり症状が
消えたりします。




北欧には認知症のコミュニケーションツールとして確立されている
緩和ケア療法である「タクティールケア」があります。

1960年代にスウェーデンの看護師が未熟児をそっと撫でると体温が
安定し、体重が増えることに気づいて広めました。

タクティールケアは「触れる」という意味のラテン語「タクティリス」
に由来し、「皮膚を通したコミュニケーション」に重点を置き、背中や
手足を撫でるように触れることで信頼の絆を深め、不安やストレスを
なだめる療法
です。
スウェーデンでは保育所の子供のケアにも取り入れられています。


タクティールケアは指圧やマッサージのように筋肉を押したり、
もみほぐすことはありません。

例えば、背中のケアなら両手のひらを背中にそっと当てて、
包み込むようにゆったりと時計回りの大きな円を描いていきます。
すると、身体から力が抜けてリラックスし、呼吸が深くなって
眠ってしまう人もいます。


浜松医科大では2009年、認知症の高齢者を対象に6週間、
タクティールケアの効果を調べる実験をしました。

1日に20分ずつケアを受けたグループは、ケアを受けていない
グループに比べて、暴言や暴力などの攻撃性が弱まりました。

また、ケアを受けた群の方が記憶などの認知機能が衰えなかった
と報告されています。










<参考文献>
近藤誠(2012) 医者に殺されない47の心得 アスコム


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