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心得7 がんほど誤診の多い病気はない ~その②「ガン」なのか、「ガンもどき」なのか?~

今回は「ガン」なのか、「ガンもどき」なのか?
というテーマです。






本物のガン細胞は、宿主の正常細胞からちょっと変異して生まれ、
「周囲の組織に侵入(浸潤)し、遠く離れた組織に転移する」性質を
持っています。

そして、宿主を殺すまで増え続けていき、最後は宿主とともに自爆
するのです。


そうした意味で、命を奪わないガンはガンのようなものとみなされ、
「ガンもどき」ということにすぎず、本物のガンに育つことはない
のです。




<ガンもどきの事例>
乳ガンで「皮膚を破ってくるガンは、転移がある本物」であると
誰しもが思います。

しかし、皮膚を破ってもグチャッと広がらず、しこりが部分的で
その上の皮膚だけ破れて顔を出しているものは、長年診ていても
転移が出てこないのです。

皮膚に入るのは「浸潤」ですが、浸潤しても転移しない
「ガンもどき」があるのです。

また、子宮ガンでも肺ガンでも浸潤すると尿毒症になったり、
息が詰まって死んでしまったりすることがあります。
しかし、放射線をかけたり、局所を手術すると治って転移が
出てこないものがあり、これも「ガンもどき」と呼べます。





しかし、ガンと見分けがつきにくい「ガンもどき」がたくさんある
一方で、いきなり姿を現す本物のガンもあります。

検診と関連して「中間期ガン」という概念があります。
中間期ガンは、定期的に検診を受けていたのにも関わらず、
次の検診を迎える前に発症してしまうといった、検診の合間
に突然発症するという意味でそう呼ばれています。


この中間期ガンには悪い性質のものが多く、しばしば死に至る
ことがあります。








<参考文献>
近藤誠(2012) 医者に殺されない47の心得 アスコム

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