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スタチン剤の副作用 〜コレステロール低下薬が身体を破壊〜

今回は「スタチン剤の副作用」というテーマです。



スタチン剤の副作用について実際に起きた例を挙げます。

営業マンとして働いていたFさんは、33歳のとき健診でコレステロールおよび中性脂肪の高値を指摘され、健康のためにメバロチンともう一種のコレステロール低下薬を飲むことにしました。

その3ヶ月後に突然、お尻が痛くて筋肉に力が入らなくなった。
さらに6ヶ月後には、顔のむくみや喉の渇きといった症状が現れ、1年後には胃痛や脱毛、尿が出にくくなる、全身の筋肉が柔らかくなるなど、あらゆる症状が出たといいます。

しかし、Fさんは副作用とは疑わずに薬を飲み続けました。
その後、「おかしい」と思い薬を止めたのは2年後ですが、時すでに遅く、症状が改善することはありませんでした。

副作用が出たら、国が補償する制度があるのでFさんは補償を求めました。
しかし、国は副作用と認めず、裁判となりました。

東京地裁判決では、筋萎縮および筋力低下(脱力)、感覚障害(四肢の痺れ)、排尿障害(尿閉)などが副作用と認められました。


※裁判に至る経緯について詳しくは、福田実著「私は薬に殺される」(幻冬社)





ここで1つの疑問があります。

Fさんの主治医は何をしていたのでしょうか?

おかしな話ですが、これが日本の現実なのです。

患者に新たな症状や検査値の異常が出た場合に、薬を止めるように指導する医師はごく少ないのです。
それどころか、患者が何か訴えたら、別の薬が処方されることがほとんどです。

そうなる理由として、
●副作用に関する医師の知識が不十分ないし欠如している可能性がある
●不十分な知識の医師が、薬とは無関係な別の病気や症状が出たと思い込む
●もし、副作用だと指摘したら自分の処方に落ち度があったと認めることになる
●また、薬を止めるように指導したら、医師と患者を繋ぐものはなくなり、患者が通ってこなくなる

などが考えられます。








<参考文献>
このクスリがボケを生む! 〜「ケモブレイン」にならない13の知恵〜
(学陽書房・2019)
著者:近藤誠

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