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ガンもどき理論の強み
今回は「ガンもどき理論の強み」というテーマです。
ガンには2種類あります。
発見されたときに転移しているケースと、いつまでたっても転移できない「ケース」。
前者はガンと呼ぶのに相応しいので、「本物のガン」。
後者はいわばニセモノのガンなので、「ガンもどき」と呼びましょう。
ガンもどきは放っておいても、本物のガンに移行・変化しないのです。
では、両者の区別はできるのか?
ガンもどきと本物のガンは性質が大きく異なりますが、病理診断(顕微鏡検査)では、どちらも「ガン」と診断されます。
言い換えると、病理診断で「ガンもどきと断言できる」ケースは存在しないのです。
しかし、概念的には両者を区別することに実益があります。
まず、目の前の「ガン」がもし「ガンもどき」なら、転移が生じることはないので、放っておいても命取りにはなりません。
これに対して、もし「本物のガン」であれば、手術をしてもどこかに転移があるので治らない。
それどころか手術をすると、ガンが暴走して早死にする可能性があります。
このように「手術」との関係で、考え方を整理でき、方針決定に役立つのが「ガンもどき理論」の強みなのです。
<参考文献>
もう、がんでは死なない ~二人に一人ががんになる時代の最高の治療法~
(マガジンハウス・2020)
著者:近藤誠