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ガンの原因:生活習慣①タバコとお酒
今回は「ガンの原因:生活習慣①タバコとお酒」というテーマです。
日常生活における最大の「発ガン因子」はタバコです。
肺ガンだけでなく、胃ガン、食道ガン、膵臓ガン、膀胱ガンなど、様々な臓器の発ガン率を上昇させてきました。
ところが近年、肺ガンによる死亡率が減少に転じているのです(高齢化の影響を除去する「年齢調整死亡率」で見た場合)。
死亡率の減少は男性で顕著です。
男性はもともと喫煙者が多く、肺ガン死亡率も高かったのですが、近年は禁煙する人が増えたため、減少率が大きいのでしょう。
男性の食道ガン死亡率も、近年は減少傾向にあり、これも禁煙が関係していそうです。
お酒はどうか?
ガンとお酒(アルコール)の関係は、タバコよりも複雑です。
まず、少しのお酒ですぐ顔が赤くなって酔ってしまう人は、肝臓でアルコールを処理する力が遺伝的に弱く、口腔・咽頭・食道などの発ガン率を上げると言われています。
しかし、お酒に強い人でもアルコールは細胞の遺伝子を傷つけ、発ガン率を上げる力があります。
そして、喫煙していると発ガン率が更に高くなるのです。
このようにアルコールは発ガン率を上げるので、大量に飲酒している人が禁酒や節酒をすれば、発ガン率が低下することは間違いないでしょう。
ただ、毎日のアルコール摂取量が少ない人が禁酒した場合に、発ガン率が低下するかどうかは不明です。
日本人男性の調査では、全然飲まない人たちより、缶ビール1本程度のアルコールを摂取している人たちの方が、ガン死亡が少ない傾向にあるからです。
<参考文献>
もう、がんでは死なない ~二人に一人ががんになる時代の最高の治療法~
(マガジンハウス・2020)
著者:近藤誠