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食品添加物の危険性だけを騒いでも意味がない?
今回は「食品添加物の危険性だけを騒いでも意味がない?」というテーマです。
添加物の毒性に注目して、その危険性のみを取り沙汰する動きが一部にあります。
例えば、「ソルビン酸は危険だ」、「合成着色料は発ガン性がある」など、添加物の毒性のみを主張する動きです。
もちろん、添加物に毒性はないのかといえばそんなことはありません。
毒性も確かに考えるべき問題ですし、安全性が完全に証明されていない添加物が使われているといった現状も確かにあります。
しかし、添加物の「害悪」と言うけれども、私達は間違いなく添加物の「恩恵」も受けているのです。
例えば、自分で作れば2時間かかるものが、加工食品を使えば5分で出来る。
本来ならすぐに腐ってしまうはずのものが、長持ちして食べられる。
忙しいときなどには、加工食品を使えば楽に簡単に食事が用意できる。
そんな「手軽さ」や「便利さ」は食品添加物があってこそのものです。
そうした添加物の「光」の部分を享受しながら、「影」の部分だけを責めても意味がありません。
それに、これほど添加物があらゆる食品に使われている現在、それを全くとらないのは現実問題としても不可能です。
こうした現状の中、「添加物は毒だ」と騒いでも、何の問題解決にもならないのです。
それに「添加物=毒性」という単純な図式しか頭にないと、計り知れない大きな問題を見逃すことにもなるのです。
<参考文献>
食品の裏側 〜みんな大好きな食品添加物〜
(東洋経済新報社・2005)
著者:安倍司