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一括表示の裏側で何が行われているのか?

今回は「一括表示の裏側で何が行われているのか?」というテーマです。

 

 

前回、一括表示という言葉を使用しました。

「一括表示」とはいくつかの添加物を一括して表示することであり、「香料」や「乳化剤」など同じ目的のために使われるのであれば、一括して表示してもよいと食品衛生法で定められているのです。

 

その方がわかりやすいという理由で行われているのですが、添加物・加工食品業者にとってこれほど便利でありがたい法律はありません。

 
 

例えば、食品の変質・変色を防ぐ「pH調整剤」がありますが、これはひとつの物質名ではなく、「クエン酸ナトリウム」「酢酸ナトリウム」「フマル酸ナトリウム」「ポリリン酸ナトリウム」といった添加物の「集合体」なのです。

 

化学記号のカタカナが45種類も書かれていたら、「添加物を大量に使用している」という悪印象を持たれてしまいますが、一括表示なら「pH調整剤」とだけ書けばいいので、少なく見せかけられます。

 

要するに、pH調整剤」の一括表示の「裏側」で何種類の添加物がどのぐらい使われているか、普通の人には全くわからないということなのです。

 

他にも、「香料」や「イーストフード」という表示を見たら、まず同様の一括表示だと思ってまず間違いありません。

「香料」などは、約600種類の添加物の中から目的の香りを出すために、数種類を混合しているのですが、その種類と比率の複雑さは使用するメーカーさえわからないほどです。




<参考文献>
食品の裏側 〜みんな大好きな食品添加物〜
(東洋経済新報社・2005)
著者:安倍司

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