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たんぱく加水分解物が味覚を崩壊させる 〜②味覚の破壊〜
今回は「たんぱく加水分解物による味覚の破壊」というテーマです。
たんぱく加水分解物は、肉や大豆などのタンパク質を分解して作られるアミノ酸であり、私たち日本人は元来、味噌や醤油などアミノ酸に旨みを感じる食文化を持っていたため、広く普及してきました。
そして、たんぱく加水分解物というのは非常に濃厚で強い味なのですが、問題はこの濃い味を「美味しい」と覚えてしまうことなのです。
日本人が大好きな味ですが、一度この味を知ってしまったら、野菜や本来の天然のだしなど、淡白な味を「美味しい」と思えなくなります。
つまり、味覚が麻痺してしまうのです。
天然の味がわからなくなり、人工的に作られた旨味でなければ「美味しい」と思えなくなるというところに問題があるのです。
本物の素材の味を美味しいと思わなくなり、「化学調味料」や「たんぱく加水分解物」をたっぷり使った加工食品にしか旨みを感じないという恐ろしいことが起きるのです。
以前話した通り、旨みのベースとしての3点セットである、「塩」・「化学調味料」・「たんぱく加水分解物」に風味をつけるエキス類を加えることで、粉末スープやスナック菓子、出汁の素など様々なものが作れます。
よくお母さんが子供にインスタントラーメンやスナック菓子はよくないと言っていますが、そう言いながらも、味噌汁や鍋物に使用する出汁の素で既に味のベースを教えてしまっているのです。
また、レトルト食品やお惣菜も同じように、3点セットがベースとなって構成されています。
つまり、お母さん自身は気づいていないかも知れませんが、言っていることとやっていることが全然違うのです。
その矛盾にどうか気付き、味覚の破壊を防いで欲しいのです。
<参考文献>
食品の裏側 〜みんな大好きな食品添加物〜
(東洋経済新報社・2005)
著者:安倍司