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食品添加物は敵か?
今回は「食品添加物は敵か?」というテーマです。
私たちは、実は遥か昔から「添加物」と付き合っているのです。
例えば、日本が世界に誇る健康食である「豆腐」。
豆腐は大豆を搾った豆乳を「にがり(塩化マグネシウム)」で固めて作りますが、この「にがり」は添加物そのものです。
しかし、添加物はダメだからといって「にがり」を使わないのなら、豆腐も食べられずに豆乳を飲むだけになってしまいます。
また、日本人には古来より結婚式で来客に「紅白まんじゅう」を配る習慣がありますが、この紅白まんじゅうの赤の方は「食紅」で染められています。
食紅を使いたくないというなら、紅白まんじゅうも食べられなかったわけです。
それ以外にも、まんじゅうのふくらし粉として使われる「重曹」も添加物です。
こんにゃくを固めるための「水酸化カルシウム」もそう。
つまり、添加物がダメだというのなら私たちは「まんじゅう」も「こんにゃく」も食べられないのです。
食品添加物と聞くとデメリットの方がよく思い浮かびますが、メリットもあるのです。
商品の「安さ」・「手軽さ」・「便利さ」といったメリットや、今紹介した豆腐や紅白まんじゅうを食べられるのも、添加物のおかげなのです。
そうしたメリットや恩恵については知らん振りをしておいて、「あれが悪い」・「これが危険」・「食べてはいけない」・「買ってはいけない」、そう脅しても何の意味もないのです。
添加物を単純に目の敵にして、拒否するのではなく、どう付き合い、どう向かい合うのか。
それこそが大切なのです。
<参考文献>
食品の裏側 〜みんな大好きな食品添加物〜
(東洋経済新報社・2005)
著者:安倍司