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病気になりにくい人の胃は、きれいなピンク色?
今回は「病気になりにくい人の胃は、きれいなピンク色?」というテーマです。
江田氏は、これまで数多くの内視鏡検査を行い、検査を行う中でわかったことがあると言います。
それは、「健康な人の胃は美しい」ということです。
健康で病気になりにくい方の胃は、100歳になってもピンク色で美しいのです。
それに対して、脳梗塞や心筋梗塞などの血管の病気や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病、はたまたガンを持っている方の胃はどうでしょう?
30歳でも、褐色調に色褪せ、厚みも薄くなった胃をしていることが多いのです。
胃は、身体の中心に位置する重要な臓器です。
あなたはそんな胃のことを、食べ物を細かく噛み砕き、単に消化を助ける臓器だと思っていませんか?
もちろん、それも役割の1つです。
しかし、それだけではなく胃は全身の健康と深く関わっていることがわかってきたのです。
日本人に問題なのは、胃ガンだけではありません。
驚くべき事実として、日本人の胃の6割、つまり2人に1人以上の人の胃は薄くペラペラになってしまっているのです。
ということは、かなりの確率であなたの胃も粘膜が薄くなり、ペラペラとなって粘膜の下の血管が透けて見える状態になっているということです。
正常な人の胃はきれいなピンク色をしていますが、胃炎が長い間続き、炎症がじわじわと長引くと、胃の粘膜が傷ついて老化します。
30歳くらいから次第に粘膜が色褪せ、白っぽくなり、薄くペラペラになっていくのです。
これを「萎縮性胃炎」といいます。
更に進行すると、40歳くらいから生まれた時にはツルツルしていた胃の粘膜がでこぼこになり、凹凸が激しくなって、著しく老化していきます。
このゴツゴツした粘膜を調べると、なんと腸の粘膜なのです。
慢性胃炎が長く続くと、胃が腸の粘膜に変化してしまう(腸上皮化生)のです。
「腸化」した人の胃には胃ガンがとても起こりやすくなります。
そして、胃がペラペラな人の血管は動脈硬化が強く、血管年齢が高いことがわかっています。
また、胃がペラペラな人の血液はドロドロの傾向が強く、悪玉のコレステロールが高く、善玉のコレステロールが低くなってしまっていることが多いことが報告されています。
なぜなら、身体の中の局所に胃炎のような慢性的な「炎症」が存在すると、全身の動脈硬化が進んでしまい、病的な老化やガンが生じやすいことがわかってきているからです。
<参考文献>
医者が患者に教えない病気の真実
(幻冬舎・2013)
著者:江田証