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胃ガンの原因はピロリ菌?

今回は「胃ガンの原因はピロリ菌?」というテーマです。
 
 
日本人の6割の人に胃炎があることは、前回お話ししました。
この慢性的胃炎が長く続くと、30歳くらいから胃の粘膜が薄くペラペラになり、粘膜の下の血管が透けて見えるようになります。
これを萎縮性胃炎と呼びます。
 
この萎縮性胃炎は、いわば胃が老化した状態であり、長く続いた慢性的な炎症のせいで胃の細胞の遺伝子はかなり傷ついた状態です。
そして、胃の中での萎縮性胃炎の広がりの面積と胃ガンの発生率は比例していることがわかってきました。
 
つまり、萎縮性胃炎が進み、胃がペラペラになった萎縮の面積が広ければ広いほど、胃ガンになりやすいのです。
胃ガンは胃の細胞の遺伝子に傷がついた結果、起こる病気です。
胃のDNAに変化が生じ、その結果、胃の細胞が異常に増殖してしまう状態になり、胃ガン細胞ができてしまうのです。
 
日本人に胃ガンが多いことはご存知の方もいるでしょうが、その理由は萎縮性胃炎の人が多いからなのです。

では、慢性胃炎やそれに続いて起こる萎縮性胃炎の原因は一体なんなのでしょうか?
それは、「ヘリコバクター・ピロリ菌」という細菌です。
このピロリ菌が胃に慢性的な胃炎を引き起こし、やがては胃の粘膜をペラペラに薄くし、胃の細胞を傷つけて、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃ガンなどを引き起こしているのです。
 
ピロリ菌は、5歳未満の幼少期に感染することがわかっています。
一旦、人の胃に感染すると除菌しない限り、じわじわとした炎症を生涯起こし続けます。
30歳くらいになると萎縮が始まり、胃の細胞を傷つけ、遺伝子を障害し、胃ガンを起こすのです。
胃ガンは大体、胃の遺伝子がボロボロに傷ついてくる60歳を超えた頃から急激に起こってきます。



<参考文献>

医者が患者に教えない病気の真実

(幻冬舎・2013)

著者:江田証

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