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夜寝るときは真っ暗にする?
今回は「夜寝るときは真っ暗にする?」というテーマです。
脳から分泌される「メラトニン」という物質があります。
メラトニンは外が明るい昼間はほとんど分泌されません。
夕方以降、暗くなってくると脳の松果体という場所から分泌量が増えて、覚醒から睡眠へ、身体の状態を切り替える睡眠ホルモンです。
そんなメラトニンをサプリメントとして、摂取すると睡眠作用があり、質の良い眠りがえられるのです。
通常の物質は口から飲んでも、脳の中には入ってきません。
有害なものが脳に達しないように「血液脳関門」というバリアーがあるからです。
しかし、口から飲んだメラトニンは血液脳関門を通過して脳に達し、眠っている間に記憶を司る脳神経である海馬神経細胞を保護することがわかっています。
また、メラトニンを摂取していると脳の細胞のミトコンドリアを保護し、軽度の認知症の進行を抑えることも報告されています。
認知症以外にもメラトニンは骨粗鬆症を軽減することもわかっています。
さらに、メラトニンには活性酸素を消去し、放射線による細胞のダメージを防ぐ作用もあります。
このようにとても有用なメラトニンですが、年齢とともに分泌量が下がってきてしまうこともわかっています。
では、生体リズムを整える「メラトニンを出す生活習慣」とは何でしょうか?
まず、夜寝る時に明かりを完全に消して、真っ暗にして寝ることです。
明かりがあると、メラトニンは十分に分泌されません。
また、メラトニンのもとになるトリプトファンという物質を含んだ食品(牛乳やチーズ、バナナ、納豆など)をよく摂ることも良いでしょう。
<参考文献>
医者が患者に教えない病気の真実
(幻冬舎・2013)
著者:江田証