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テロメアは寿命の切符 〜命の切符を長くする方法〜
今回は「テロメアは命の切符」というテーマです。
「細胞分裂の切符」である、テロメアの話です。
テロメアとは、ギリシャ語で『末端(end)』を意味します。
テロメアは、ヒトの染色体の先端の部分であり、染色体を保護する役目を持っています。
細胞は分裂するたびに、このテロメアの長さが短くなってしまい、″テロメア切れ″になるとそれ以上分裂できなくなり、死んでしまいます。
これは医学誌「The Lancet」に2003年に掲載されたデータで、有名な論文です。
それによると、テロメアが長いほど寿命が長いのです。
命の切符テロメアは何もしなければ、加齢に伴い、短くなってしまうことがわかってきています。
この切符の減少をいかに上手に防ぐことができるかが健康長寿のカギになります。
テロメアの長さは現在、採血で簡単に調べられ、次のような特徴もわかってきています。
<テロメアの特徴>
①テロメアが長い人は見た目が若々しく、顔のシワが少ない。
②鬱状態やストレスが多い人は、テロメアの短縮が強い。
③テロメアが短い人は動脈硬化が強く、心筋梗塞や突然死などの心臓血管イベント(事故)が多い。
④血中ビタミンD3濃度が高い人は、テロメアが長い。
人間は、このテロメアを長くする酵素「テロメレース」を持っているのですが、タバコを吸う人はテロメレースの活性が低いことがわかっています。
逆に運動することで、テロメレースの活性を増加させることができることもわかっています。
つまり、マイルドな運動をしたり、規則正しい生活習慣をして、栄養過多や激しすぎる運動を控え、活性酸素を防ぐなどのライフスタイルの改善によって、テロメアは長くできるのです。
他にも、魚油(EPA)やレスベラトロールもテロメアを長くする作用があります。
レスベラトロールとは、抗酸化作用で注目されるポリフェノールの一種であり、ぶどうの皮の部分や赤ワイン、ピーナッツの薄皮などに含まれています。
また、葉酸が不足すると有害な「ホモシステイン」が増え、テロメアが短くなってしまうことがわかっています。
<参考文献>
医者が患者に教えない病気の真実
(幻冬舎・2013)
著者:江田証