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機能性胃腸症の症状を軽くする方法 ~①胃が緩めば、あなたの笑顔も緩む 胃は健康の鏡~
今回は機能性胃腸症の症状を軽くする方法
「①胃が緩めば、あなたの笑顔も緩む 胃は健康の鏡」というテーマです。
胃の調子が悪い人、そうでない人の大きな違いのひとつは、「胃運動能」です。
胃が動けば、胃の調子は良くなるのです。
胃の調子が悪い人は、胃の緩みが悪いということです。
胃の調子が良い人の胃は、食べ物が口から入ってくると、胃の天井部分(穹窿部と呼ぶ)が大きく膨らんで、食べ物を受け入れるスペースを作ります(適応性弛緩)。
これによって、より多くの食べ物を受け入れられるようになるのです。
しかし、最近の研究で胃の調子が悪い人の胃の動きを胃電図で調べると、この胃の緩みが悪い人が多いのです。
胃の緩みが悪いと、胃の拡張が悪いため、多くの食べ物が受け入れられず、早くお腹が一杯になってしまいます(早期飽満感)。
また、胃の中の圧力が高まるため、みぞおちが痛んだり、食べ物が詰まった感じがしたり、様々な不快感が出るのです。
さらに、胃が膨らまずにギチギチに固いので、胃の中に入った食べ物は十分に噛み砕かれずに、すぐに十二指腸に流れ込みます(胃排出亢進)。
胃の中で食べ物の貯留が十分に行われないで、早期に食べ物の胃排出が起こるのです。
そして、食べ物と胃酸が急激に十二指腸に流れ込みます。
すると、十二指腸に負担がかかることから、十二指腸は胃に「これ以上たくさんの量は受け付けません」と拒絶をします。
十二指腸の急な拡張は、胃排出に対してブレーキ(食べ物が急速に十二指腸に流れ込まないように胃排出を遅らせる調節機構)となり、結果的に胃の排出は遅くなってしまいます。
これを「十二指腸制御」といい、十二指腸が胃の運動機能を悪くすることがわかっています。
そうすると今度は、結果として胃の中の食べ物がずっと残り、停滞します。
少ししか食べていないのにも関わらず、この食べ物が胃の中に停滞し、食後のもたれ感を出すのです。
これが胃もたれや胃の痛みに繋がるというわけです。
また、多過ぎる酸は胃の動きを弱めることがわかっています。
胃カメラを行いながら、十二指腸に酸を振りかけると「胃の出口(幽門前庭部)が収縮する回数が減る」という研究結果があります。
胃酸の出過ぎは、胃の働きも弱めるのです。
<参考文献>
医者が患者に教えない病気の真実
(幻冬舎・2013)
著者:江田証